人はストレスを感じると、むしょうに食べものを食べたくなる。これは、よく世間で言われていることですが、科学的に見ても本当のことのようです。今回は、そんなお話をしてみたいと思います。あなたは今、自分でも認識できるストレスをお持ちですか?
人は大きなストレスを感じると、ストレスから自分を守るために、戦うか逃げるかの実行ができる体制をとろうと、コルチゾン(サバイバルホルモン)という物質を発動し、エネルギーの節約・補給を体に指令します。つまり、そのストレスと対峙できるように、体内の代謝をいざというときに備えるために、エネルギー節約モードに切り替え、体内に脂肪を蓄えていきます。
コルチゾンは、満腹感を感じるホルモンの分泌も抑制するので、体は空腹感を感じやすくなると同時に、すぐに代謝でエネルギーに転換できる糖分を欲するようになります。このような脳の伝令により、糖分や脂肪分の多い食べ物を摂取することで、実際にストレスホルモンが低下し、脳内物質(ドーパミン)の分泌が刺激され、快楽を感じることができます。つまり、糖分を多く含む甘いものや、お菓子類などを食べることで、気分がよくなることはこのように理由がつくのです。
人は脳に一旦快楽を覚えると、それを食べると気分がいいということで、脳内回路が形成され、常にそういったものを欲しがる依存症となる可能性も高く、継続的に摂取するようになり、より大量に摂取しないと満足しないようになってしまいます。また、外食やお付き合いで脂肪分の多い食べ物を食べ続けると、ホルモンが異変を起こし、より脂肪分を欲するようになるという研究報告もあるようです。
このように、ストレスと肥満には密接な関係があります。現代社会に生きる私たちは、ストレスにさらされる機会も、昔と比べて格段に増えています。しかし、体が欲するからと、脂肪分の高い食べ物や、スナック菓子、チョコレートなどに手に伸ばしていると、どんどん肥満が忍び寄ってきます。
食べ物は、人の生活維持に必要不可欠で、摂取した炭水化物や脂肪をエネルギーに変えて、
それを消化して日常活動を行なっています。しかし、ストレスによって手を伸ばし、過剰に摂取した糖質は、当然ながら消費されず余ります。余った糖質は、何かの事態に備えて、中性脂肪に合成されます。その結果、脂肪細胞として体内に蓄積されてしまうのです。
ストレスが引き起こす、このような体内メカニズムを、どうぞご認識くださいませ。 |